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晩御飯はえらく立派でいつもバラバラにご飯を食べるあたし達には信じられなかった。
「誕生日使用の晩飯だな」
光流はぼそりと呟く。
食卓テーブルは残念ながら4人用だ。
この胡散臭い金髪男をどうにか座らせたくないと考えていたあたしの目論見は砕けた。
あたしの隣に光流が座りあたしの目の前には金髪男、金髪男の隣は母親が座ってる。
「それじゃあ改めて」
紹介するわ、と母親は笑う。
「あんた達には全然言ってなかったんだけど、お兄ちゃんがいるの」
いるさ、目の前にね。
胡散臭いけど、と心の中で付け足す。
「それって」
光流は冷静に口をひらく。
「戸籍上ってこと?」
「そうよ」
母は淡々と語る。
「お母さんがあんた達のお父さんと結婚する前にお父さんは違う人と結婚してたの。その時に生まれた子が翔君よ。」
「……なるほどね」
光流は納得したようだ。
「で?何でそのお兄ちゃんが俺らの家に来るわけ?」
「翔君のお母さん…亡くなったのよ。」
「は!!??」
あたしと光流は同時に立ち上がった。
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