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「アヤ、もうすぐ誕生日なんやな」
壁にかけてあるカレンダー、あたしの誕生日に赤い丸がついてる。
「…ぁ」
忘れてた。
翔が来て色々ありすぎて誕生日なんて頭になかった。
「そう言えばもうすぐねぇ。」
母さんはプレゼント何がいい?と聞いてくる。
誕生日なんて忘れてたあたしはまだ決まってないと言うしかなかった。
いつもなら誕生日が近づくとショップに行って欲しいものに目星をつけるのだけれど…
困ったな、と思う。今頭をフルにつかって考えても何も思い浮かばない。
「もうちょっと考えてもいい?」
「それは構わないけど」
決まってないなんて珍しいね、と母さんは言う。
そりゃ色々ありすぎましたからね…
上目で目の前の翔を睨む。そもそもの元凶はこいつだ。
視線に気づくことなく翔はご飯をかっこむ。
おめでたいやつめ。
翔はあれから編入試験を受けて見事に受かりやがった。今はパンクな服じゃなくてブレザーを着てる。
頭も金髪から茶色に戻った。あたしが昨日手伝って染めた。前の高校は私服で髪の色もなんでも良かったらしいけど。
ピアスも今ははずしてどっからどうみても普通の人になってる。
ピアスや金髪で人って変わるなぁと思う。
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