誕生日

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翔の高校はちょっと遠い。さきにご飯を食べ終えて「行ってきまーす」と玄関に向かった。 と思うとすぐに戻ってきた。 「アヤ、何か好きなものないん?」 「はぃ?」 「はよ、言ってや。遅刻してまう。」 「ぁー…野球。」 あたしは野球が好きだ。小学校から野球やってた筋がね入りの野球少女。 中学は野球ができない何ともむずがゆい場所だった。 「野球な。わかった。」 翔はもう一度、行ってきまーすと言って家をでた。 「兄貴、野球グッズでも買ってくれるんじゃないの?」 光流は楽しそうに笑う。 あたしが野球に関して人一倍うるさいのを知ってるからだ。 「あんた知ってんなら教えてあげなさいよ。」 母さんは哀れそうに今出てった翔を心配する。 「分かってるよ。俺、そんなヤな人間じゃないし。」 「てかあたしを鬼か何かみたいに言うのやめてくんない?」 2人につっこんであたしも家をでた。
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