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「ただいま」
光流だ。珍しく早い。
「塾は?」
「途中で帰ってきた。それより…はいコレ」
渡されたのはコンビニの袋。
「新発売だって」
春らしい苺のチョコレート。いつもなら嬉しい。チョコレートは大好物だもの。
「どしたの?」
大好物を目の前にしてもため息をついたあたしを心配したのか、光流は上目づかいに聞いてきた。
部屋に行ってみろ、と指だけで合図して、数秒もしないうちに部屋から大量のメンズポッキーを見つけ出した光流の笑い声が聞こえてきた。
まさに爆笑。息が出来ないほど笑うというのはコレだ。
「だはははっ!!何だよあのポッキーの数!!」
笑うのも無理ない。
何せクラス中の友達からポッキーもらったんだから。
「断言しよう!姉ちゃん今週で3キロは太るな」
何て恐ろしいことをお前は言ってくれるんだ。
無邪気すぎる弟を睨みつけてあたしは苺のチョコレートに視線をうつす。
これで母さんがチョコレート買ってきたら泣くな…
ため息をついてあたしはチョコレートを冷凍庫に放り込んだ。
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