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「ただいま~」
「おかえり」
母さんは手に買い物袋を2つさげていた。
今日はごちそうだよ~と笑顔だ。
言わずとも分かる。袋の満杯さを見れば。
ガサガサと袋に手を突っ込み、はい、と手渡された。水玉模様の包装紙。長方形型の箱を見て嫌な予感がはしる。
「まさか…」
考えたくはないけど気づけば包装紙に手をかけていた。
「お母さんふんぱつしたわよー」
ふんぱつでも毛髪でもいい。とにかく…あれでなければ。
丁寧に包装紙をたたんで現れたのはメタルチックなブラウンの箱。たいてい…こういうのに入ってるのってさ…
パコン
メタルチック特有の音をたてて開いた蓋。
「……」
「?どうしたの??」
蓋を開いてチョコレートを見た瞬間、頭を抱えたあたしを見て母さんは心配そうに聞いてくる。
「母さんちょっと…」
光流は笑いをこらえるのに必死であたしの部屋に母さんを案内した。
光流と同じく数秒もしないうちに大爆笑が聞こえてくる。
「あんた何よーあのポッキーの数!!」
光流と見事なまでに同じ反応をしている。似たもの親子め。
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