ナツシグレ

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「あーつーいー」 あたしの部屋は2階、日当たりがよくて春は最高に気持ちがいい。 弱点は夏の暑さがダイレクトに伝わることだ。 「あついんやけどぉ~」 去年までは夏の暑さだけを耐えれば良かった。 「なぁ~エアコンもぉちょい冷たくせぇへん?」 …………今年からはそうはいかない。 「アーヤー聞いとる~?」 「アァァァァ!!!マジうっざい!!!」 「ひどぉい…」 今年からはこいつがいるのだ。 「つか何であたしの部屋にいんの。自分の部屋に行け。」 「俺の部屋エアコンないんやもん…」 ブーと頬を膨らませてアヤだけズルいやん、と拗ねる。 「それにアヤの部屋におれば勉強一緒にできるやろ?」 「……」 これには黙る。 妹のあたしがいうのも何だけど翔は頭がいい。 つい最近判明したことだけど。 中学生時代の成績表は5ばかりで唯一家庭科と美術のみ3だった。 6月のテストでも全て87点以上だった。ムカつくことに。 「アヤの宿題手伝えるやん。なぁ~お願いやからここに居させてや」 「…別にいいけど」 「おおきに!」 そのかわりあたしの宿題手伝えと念をおして翔を居座らせた。
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