異世界は身近に

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「あ、目が覚めたんですね」 少女が部屋に入ってきた。 歳は自分と変わらないぐらい16か17歳だろう。 続いて男が入ってくる。 なんか強そうだ。逆らっても絶対に敵わない感じ。 「すまないな。コイツがセーフボールなんて使っちまったから。動けるか?コラッ。お前もちゃんと謝れ」 「すみませんでした!」 少女は深く頭を下げる。 「いえ、そんなこちらこそ。すみません。何も知らなくて」 「聞きたいこともあるだろうが、すまないがこうなってしまっては、こちらとしても簡単には帰すことができなくてね。ついてきてもらえるかな?」 「は、はい」 ま、ついていくしかないよな。 まさか殺されたりはしないだろうし。 そうならそもそも助けすらしないだろうし。 部屋を出るとそこには白を基調としたシンプルなデザインの廊下だった。 窓はない。 しかし所々にスイッチのようなものがある。 部屋への入口はスライドの自動ドアだった。 これもSF映画を見ているような造りになっていた。 そんな廊下をしばらく歩き、突き当たったそこには「支部長室」とプレートの付いたドアがあった。 男がドアの横にあるインターホンのようなものに話しかけている。 話が終わったと思うと、目の前のドアが開いた。 「ソーくん起きてたから連れてきたよ」 「こんなときぐらい支部長って呼んでくれてもいいんじゃないかなぁ」 その男は、優しい声で少女に言う。 見た目も優しそう。 支部長ってことはここは何かの会社? 「はじめまして不知火 斗真くん。私はソース・パーパス。異世界派遣会社の地球支部、支部長をしてます。どうぞよろしく」
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