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その腕によって連れ去るように引かれて
酔いも手伝ってか、ふらふらとしながら
溢れそうな涙を必死に拭って
彼のなすがままに…
閉じこめられた薄暗い空間
私の部屋より広い空間、そして…
浮かび上がるのはダブルベッド
なんで…一人じゃ…
でも、私をここに連れて来たって事は
来られなかった誰かの代わりなのか…
理由は分からないけれど、目の前の事実にまた胸が苦しくなった
だから、さっきまで迷っていたのかも知れないと
それと同時に悟った
彼は始めから正直だった
ちゃんとパートナーの存在を示し、それを認識したのは私
だから、それに傷付くなんて権利は…ない
立ち尽くした私の身体を
後ろから抱き留めた彼の身体が、何故か冷たく感じた
それは…彼の心の温度なのか
それとも、私との…温度差なのか
それでも
貴方が欲しいと
願うの私は、どれほど卑しいのか…
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