【欲望の涙】

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ある日のアリウムのデートは、こんな具合です。 二人は、公園を散歩していました。 アリウムが話します。 「今日は、暖かくて良い天気だな」 「そうね。少し暑いくらいだわ」 「はは、お前は暑いだろうな!」 「え?どうして?」 「ぽっちゃりしてるからな」 女性は驚きすぎて声が出ません。アリウムは笑顔で続けます。 「もっと、食べろよ。そして、もっとぽっちゃりしろ」 女性は泣き出してしまいました。しかし、アリウムは笑顔で言うのです。 「何故、泣くんだ?」 「ぽっちゃりだなんて酷いわ」 「良いことだろ。それにしても、泣いてる顔も可愛いな」 案の定、アリウムはフラれてしまいます。 アリウムは、本当に悪気がなかったので訳が分かりませんでした。 アリウムは考えます。 「俺の性格に問題があるんだろうか。でも、何が問題なんだ…」 アリウムは、女性に対して優しく接していると思っています。 ただ、自分でも変だと思う事があります。 それは、涙を流している女性が美しく見える事です。 女性を泣かせようと、している時があります。 その時は、無意識なのですが後になって気づきます。 少し困らせたいから始まり、涙が見たいまでいってしまうのです。 アリウムは、ため息しか出ませんでした。 「こんな性格じゃ、長続きする訳ないな」 アリウムは、ひどく悩んでいました。
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