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昔々、とある国に一人の少女がいました。 氷のような冷たい瞳に、雪のような真っ白い髪の少女は、その容姿で大人から忌み嫌われ、子供に馬鹿にされていました。 嫌われ者の少女は、独り冷たく心を閉ざします。 それはまるで、固く冷たい氷の刃。 少女は、自分を馬鹿にする者を大きな銀の鎌で追い払いました。 だから少女は、いつも独りでした。 それを、彼女も望んでいました。 しかしある日、少女の前に少年が現れます。 「君は、誰だい? 」 少年は、花のような笑顔で少女に話しかけました。 彼女の冷たい心が小さく音を立てた瞬間でした。    【メルシア童話集       悲劇『氷雪の死神』より抜粋】
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