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3年生になって変わったこと。
それは自分達が一番上の学年で、
「先輩、これどうしますか?」
「あ、えっと……」
頼る人がいないこと。
部活にしてもそうだし、そして私生活だって頼る相手はそばにはいなくて。
顔を上げれば夕日は沈みかけで足元には長い影が落ちる。
「お疲れ様でした」
ペコリと頭を下げる後輩に美穂は「うん、お疲れ」と言って笑った。
体育館の鍵を閉めて部室を確認して、
「失礼します」
と鍵を職員室に預けて外に。
もう待っててくれる人がいないのも日常で、
「今晩のご飯はどうしようかな」
美穂は一人呟いて歩き出した。
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