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「そう言えばまだ藤井君から許可降りないの？」
思い出したように聞いた美穂の質問にメイはやっぱり頬を膨らませる。
メイの彼氏は男バスの部長、藤井明仁。
「ってかなんで見に行っちゃダメなの？」
そんな真由美の声にメイはじとっとした視線を向けて。
「うるさいからって。あたしのことだから騒ぎ捲るだろって！ 失礼だと思わない？」
そんなメイに美穂は「違うよ」とクスクス笑う。
「きっと、メイに見られちゃうのが恥ずかしいんだと思う。本当に必死になって頑張ってるから、後輩にも結構強く当たったりしててね。そんなところ見られたくないんじゃないかな？」
そう言うとメイは納得したのか、今度は唇を尖らせて。
「でも、見たいし」
なんて口にするから可愛くて堪らない。
「うん、分かるよ、その気持ち」
どうせなら間近で応援したい、彼のプレーを見てみたい。
誰だってそう思うはずだから。
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