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ドアを開けた瞬間、響く音にメイはギュッと目を閉じた。
そして、ゆっくりと開いて、
「リバンッ! 競り負けんなっ!!」
アキの声が聞こえてきた。
いつもの落ち着き払った声とは違って、その顔だっていつもの余裕のあるアキとは違う。
アキがバスケをしてるのを見るのは勿論初めてじゃない。
付き合い始める前だって遠くから覗いたり、2階から見てたり。
付き合うようになっても当然のように2階から見てたのだけど、
『五月蝿い。気が散るから来るな』なんていわれて。
意地を張って見に行かなくなったり。
それでもこっそり覗いてたりしてたのは内緒だ。
だけど大会にだけは応援に行ってた。
去年のインハイもウィンターカップだって見逃すことなんてあり得ない。
けど、
「……凄い」
こんな間近で見るのは初めてで。
「でしょ?」
クスリと笑う美穂にメイはただコクンと頷いた。
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