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メイの言うとおり凄い。
けど、物足りなさを感じるのも事実だったり。
勿論、彼だけがすごかった訳じゃない。
そうなんだけど……。
ピッピッーとなる笛。そして、
「あ」
「……メイ」
完全に見とれてたメイは簡単に見つかって。
呆れるようなアキの声に「こ、これはっ」と美穂の背中に隠れるメイ。こうなったのは当然美穂のせいでもあるから。
「あ、あのね、あたしがメイに頼んだの! 今日はちょっと忙しくて手伝って貰いたいなーって! ほら、メイって帰宅部だし、ね?」
なんとかそう言い訳をする美穂に合わせてメイをコクコクと頷く。
だからってそんな嘘はすぐにバレてしまうもので。
「メイ、ちょっと」
焦るメイの手を掴んで体育館の外に。
「ま、待って藤井君!!」
だから追いかけようとしたけれど、
「タオル、まだ用意されてないよ」
「え? あ――」
そんなアキの一言に諦めるしかなくて。
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