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急いでタオルの用意をして部員に配って、それからメイの所に行こうとして。
「なんで見ちゃダメなの!?」
メイの声に足を止めた。
「どうしても」
「静かに見てたでしょ?」
「静かならいいってもんじゃない」
「邪魔だってしてないし!」
「俺の気が散る」
「……」
強いアキの口調に飛び出そうとして――。
「試合ならいいけど、練習中はキツいこと言いまくるし、そんなとこ見られたく無いんだよ」
その声にやっぱり飛び出すのは止めた。
「……別にそんなのでアキを嫌いにならないし」
「俺が気にするの」
「全部インハイの為って知ってるし」
「それでも俺はメイに嫌われたく無いんだよ」
聞こえてくる会話に思わず頬の筋肉が揺るんてしまう。
「絶対嫌いにならないしっ! だから見てもいい? 近くで応援したいもん!!」
立ち聞きはこれでおしまい。
「あー、もうっ!」
そんなアキの声を聞きながら体育館に戻った。
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