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「あれ? アキは?」
コータの声に「すぐに戻ると思うよ」と答えて部員たちのタオルを片づけていく。
顔を上げれば向こう側のコートには女バスの姿が見えて。
「ね、コータ」
「ん?」
「今日の帰り、コータから真由美を誘ってあげてね」
そんな美穂の台詞にコータは唇を歪めたり。
「別に俺がなんかしたわけじゃ……」
「うん、分かってる。だけど真由美も声かけづらいんだよ」
「だからってなんで俺からっ」
「お互い意地張ってたらこのままだよ?」
「……」
「だからここはコータの心の大きさを見せちゃういい機会だと思うな」
そう言って、
「絶対真由美は待ってると思うよ」
コータからタオルを奪って体育館を出て行った。
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