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進撃する巨人がいる今日この頃…エレン・イェーガーは困っていた。
エレンのいる地下から上がる階段のある廊下のど真ん中で、リヴァイ兵士長が仁王立ちしていたのだ。
「…リヴァイ兵ちょ」
「二人っきりなら呼び捨てでいい」
即座に距離を詰め、リヴァイの踵がエレンの左足の小指を潰す。
エレンがバランスを崩すとリヴァイは下に引き寄せ、彼に口づけた。
状況を把握できていないエレンを壁に押さえつけ、舌を引き摺り出し、噛み付いた。
エレンの低い呻き声が地下に反響する。
リヴァイが離れると、エレンは荒い息でリヴァイを睨みつけた。
桃色に染まった頬を無表情で眺め、リヴァイは口を開く。
「だらしない」
白いハンカチで、エレンの頬を叩く。
「涎を拭け」
渡されたハンカチで涎をぬぐうと、エレンは問いかけた。
「何か用ですか」
「知らん」
……用もないのに色々と…特に口づけとか…しないでほしい…とエレンは思った。
「まあ、特に理由はないが…」
リヴァイの首が傾く。
「何故か無性にしたくなった」
「どれの事ですか」
という質問は、エレンにはできなかった。
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