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「着いたぞ」
車が店の前で停車した。
「じゃあ、ちょっと行ってくるね」
降り立った場所は、まるでログハウスを思わせ る丸太作りの小さな花屋。
両脇にプランタ-の花が置かれた木の階段を、 3段程上ると店の入口がある。
ミシミシと木の音を響かせながら、大きなベル のついたドアを開けると、
カランカラン………。
心地よい鐘の音が耳に届き、ふわっと漂う生花の香が鼻を掠める。
「いらっしゃいませ~」
同年代くらいのエプロンを身につけた女性店員 が、思わずニコッと返したくなるような優しい 笑顔を向けて、私を店内に招き入れた。
名前もわからない小さな花を、キョロキョロと 探していると、
「何かお探しですか?」
店員に声をかけられて。
「…えっと……」
どう説明しようかと困り果てた私は、
「…あっ……」
さっき撮ったばかりの写メを思い出す。
「あの……、この花なんですけど、ここに置いて ますか?」
携帯を差し出し画像を見せると、「これはニゲ ラですね」店員の口から簡単に花の名前が飛び 出した。
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