夢の始まり

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*************** ピュ-ッ…………。 「あっ、始まったよ。ムト」 「やっぱ、この場所選んで正解だったな。眺め が最高だわ」 「ほんと、綺麗だね」 「おっと、ムービー撮らないとな」 夜空一面に広がる花火を見ながら、感動する私 の隣りにはムトがいる。 「最後の花火は文字が浮かぶらしいぜ」 「ほんとに?楽しみ~」 そっと肩を抱き寄せるムトに、私は自然に体を 預けた。 まだ少し蒸し暑さの残る8月下旬の夜。 私達は夢中で花火を眺めていた。 時折吹く風が心地好くて、どこからか聞こえる 虫の鳴き声が、優しい音色となって耳に届く。 「そろそろ終わりかな?どんな文字なんだろう な」 「単純に祝って字じゃない?」 「愛とかだったら笑えるな」 「あははっ、ほんとだね」 浮かぶ文字を連想しながら、最後の一発を待ち 侘びた。 「「あっ……」」 上がると同時に重なった2人の声。 見つめる先に浮かんだ文字は……。
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