夢の始まり

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「何食べてきたんだ?」 見ていたニュース番組から私に視線を移した父 に聞かれて、 「あぁ、イタリアンの店にね」 自分だけ美味しい物を食べた事が申し訳なく て、答える私の声は若干小さめ。 「あら、イタリアンなんて洒落たお店に行った のね。ママも食べたかったわ」 お手製のミックスジュースを運んできた母が向 かい側の床に座って、羨ましそうに会話に混 じってきた。 「じゃあ、今度は家族で行こうよ。ねっ、パパ いいでしょ?」 「そうだな。哲也も連れて4人で行くか」 「やったね、ママ」 「ええ、楽しみだわ」 久しぶりに親子3人での団欒に和んでいると、 あっという間にもう今日が終わる時間。 慌ててお風呂を 済ませてベットに潜り込んだ。 今日はぐっすり眠れそうだと閉じた瞼が合図に なる。
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