愛しの君

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愛しの君

最近、学校へ行くのが楽しい。好きな人ができたからだ。萩野君だ。 「おはよう。」萩野君のシャツをまくった長い腕が伸びてきて、背中を回り肩を叩いた。 一瞬ビクッとするが自然に振る舞う。 「あ、おはよう。」ニコッとしたつもりだが、引き攣った笑顔になっていなかっただろうか。 「なあなあ。英語の宿題やってきたか?」窓からふり注ぐ淡い光が萩野君の髪に触れ、キラキラと黄金色に輝いている。 うわー。なになに?このキラキラ。 「う、うん。やってきたけど。」眩しくて思わず目を伏せる。 「ちょっと見せてくれよ。」キラキラが顔を近づけてくる。 「うーん。でも…」逡巡しながら言葉を濁す。 「帰りに何かおごるよ。」 「ほんと?」テンションが一気に上がる。最初から見せるつもりだったので、超ラッキー! いそいそとノートを広げる。
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