今日、この瞬間、人生の新しい扉が開きます

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『哲学』の講義は、1年生の選択必修科目なのだ。  だから、この講義室にいる2年生は、たぶん瑠夏だけ。 去年の『哲学』で不可を受けた2年生はかなりの数いる。 恐らく、その全ての人が 『哲学』から 『倫理学』に乗り換えているから、やっぱり2年生は自分だけだろう。 同じ学科の川嶋さんは、去年のテストが終わった後、憤慨していた。 「あの、冷徹眼鏡~ 血ぃ、通っとらんばい。    あんた、来年は私と一緒に『倫理学』とらんばっ!」 あまりの怒りに郷土の方言MAXで、川嶋さんは藤乃川先生の文句を言っていた。 まあ怒っていたのは、川嶋さんだけではない。 みんなの不満の原因はただ1つ。テストが辛辣に難しかった…… らしい。 瑠夏は成績評価、[優]でクリアしたため、怒っているみんなの気持ちがよく分からない。 川嶋さんが、それは奇跡だと言うので、瑠夏は愛の奇跡だと勝手に心の中で位置付けている。
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