今日、この瞬間、人生の新しい扉が開きます

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「そこの後ろの生徒。  授業の妨げになります。  受ける気が無いなら、退席してください」 藤乃川先生の少し強い口調の声が、講義室に響いた。 ざわついていた講義室の皆の視線が一気に後ろの生徒に注目した。 4、5人程のグループなのか、女子学生の二人は、しまったという顔をして俯いた。 男子学生の一人は面倒臭そうに皆から視線を反らした。 一人の男子学生は、笑いながら藤乃川先生に言い返した。 「先生~ すいませんけど、もうちょと、面白い授業してくれませんか~  こっちは金、払ってんですから」 挑発的な言い方だった。 ヒップホップのダンサーみたいな服を着た、金髪の男子学生は、なぜだか自信満々に腕を組んで椅子に座っている。 瑠夏は藤乃川先生の様子を心配して見守った。
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