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そう柔らかく微笑むのは、俺の前の席の生徒である、綾咲琴美さんだ。
「…あんまり…よくはなかったかな」
真実のまま伝えると綾咲さんは苦笑いで、「そうなんだ~、実はねわたしも…」等と言ってくれた。
綾咲さんは、成績優秀、女子テニス部であり、スポーツ神経も抜群だけでは飽きたらず、
ルックスもそこら辺のアイドルやモデルに勝るような美貌…というか可愛さを備え持ち、まさに『才色兼備』をそのまんま女の子にしたような人だ。
性格もよくて、教師からも好かれているように見受けられる。
『クラスのマドンナ』とは彼女の為にある言葉だろう。
「…でね、って梅津くん聞いてた?」
「…っ!あ、うん聞いてた!聞いてた!」
しまった。綾咲さんの話をほぼ聞いていなかったではないか。
これは不覚だ。
「もう、梅津くんたら…」
ふてくされるような仕草をする綾咲さん。
マジ可愛いなクソ。
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