1人が本棚に入れています
本棚に追加
☆美凉
今日も、講師として生徒に指導をする。
どきどき、周りの人が、楽しそうに演技をする姿を見ていると、胸が苦しくなる事がある。
でも、もう演技はしない。期待を裏切ってしまうのが怖い・・・・・・。
───でも、本当は選手として、ずっと演技をしていたい。〝まだ続けたい!!〟
私は、どうしたら良いの?少し、考え込む。
──ヒヤッ
急に頬に、冷たい物を感じたのと、同時に
『何ぼうっとしてんの?』と声が聞こえた。
『ぼうっとしてないよ。』作り笑いをしながら、私は答えた。
心配してくれた?
──本当は、考え込んでいただけなんだけどね。
『練習はもう良いの?』
『いや、疲れたから休憩。あ、これあげる。』
さっき、私の頬に当てたペットボトルのジュースを左手に持っていた。
『ありがとう。』
ペットボトルのジュースを、受け取ると『じゃあ』と言って練習を再開した。
スケートをしている時の、智也君の顔は、真剣なのに明るい笑顔を見せている。やっぱり、カッコイイ。
いつの間にか、視点が変わってしまった。
〝何考えてるの?私としたことが・・・智也君とは、幼なじみなだけよ。別に、好きとかそういう訳ではなくて!!〟モヤモヤする。
最初のコメントを投稿しよう!