196人が本棚に入れています
本棚に追加
/768ページ
「あっさだぞ!とっとと起きろ!」
女の大きく高い声が部屋に響き渡った。
口調は子供だが、声と、声の主は大人の女性だ。
その声に、塞き込む様に寝ていた少年が起き上がる。
「……はよう。姉貴」
少年は起き上がりながらそう返事した。
「今日から学校なんだろっ」
少年の姉はガララッ、と小気味良い音を立ててカーテンを開けたが…
窓の外はまだ薄暗い。時計は午前4時を示していた。
「ほらほら、新学期早々遅刻しちゃうゾ」
「まだ門開いてないっての……
毎度毎度、これで何度目だよ……」
彼の姉がイタズラ好きな事と家のマスターキーを所持している事が災いして、ドッキリと言い張るただの迷惑をしてくる。
「ふわぁ……じゃ、7時に起こしてね~……」
大あくびをしながらそう言い残し、彼の姉は部屋から出て行った。
いつもの事だと諦め、彼も寝る事にした。
最初のコメントを投稿しよう!