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「あ、おはよ!」
「うし、ちゃんと起きてた。」
玄関開けたら見知った顔の男女各1人が待ち構えていた。
「いちいち起こしに来なくて良いのによ……」
後頭部を掻きながら、あからさまに嫌がる素振りをしつつ訴えても2人は気にする素振りもなかった。
俺より(無駄に)背が高く体格も良い男の方……
軽くワックスで整えた感じ(なおワックス未使用)の黄土色の髪をした、いかにも不良主人公みたいなコイツは……そう、確か……神谷抗史。
戦う事しか脳にない。
その腰巾着みたいに行動する、首からイヤホン提げてる女の方は、葉下海。
パッチリと開いた目、後ろで結んだ栗色の髪にやたらと短いスカート……と、それなりに魅力はあるんだろうが……
……どっちも馬鹿だから、何やらかすか分かったモンじゃない。
「んじゃ、とっとと行こうぜ!」
「お~!」
休み明けの、けして快適ではない朝にも関わらず幼馴染の能天気な声が冴える。
「はいはい……」
だからって、無視は論外だ。
いや……だからこそ、無視が出来ない。
俺も観念して2人の後を歩く。
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