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学校……
廊下で二人と別れ、F組教室に入る。三人それぞれが違うクラスで、個人だと大きな騒ぎを起こさないのが救いだ。
授業やホームルーム中は退屈だがあの二人が来ない、ささやかな平穏な訳で。
そんなホームルームを本を読みながら聞き流し、だらだらと体育館に移動する。
……
「では、始めたいと思う」
かくして、全校朝会で校長の話が始まった。進行も校長が務める。冗談じゃない。
我が校の校長は話好きで、朝会は短くて30分。かつて1時間半を越えた事も有るらしい。
最短記録更新を密かに期待しつつ、あくびをした。
20分……
「ああそうだ。つきましては、彼女に生徒会長を……」
脱線していた話が本来の軌道に乗った……
40分……
校長の与太話が続いている…
「これで何分だ?」「同じ話してないだけマシだけどさぁ……」
ひそひそ話もじわじわ聞こえてきた。
50分……
「ぐが~っ……」
誰かのいびきが聞こえた。
60分…
「では、これにて」
校長に合わせて礼をするついで、ズボンに入れてる懐中時計を開くと、ジャスト1時間経過してやがった。
思い入れのある懐中時計を畳むと、生活指導の先公が青白い顔して校長と入れ替わる。
……夏休み明けでまだ蒸し暑い中、無駄のない生活指導の話が終わり、気休めながら扇風機がある教室に戻る……
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