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人々は世界を創ることができるようになった。 しかし何も宇宙を一から創り上げるわけでも、人類を生み出すわけでもない。それはほんの小さな、手のひらサイズのキューブ型をした世界だ。 人々は自らの思い描く空想、妄想、想像を、そのキューブの中に創り出すことができるようになった。本来自身の頭の中だけにしかない"世界"を、具現化できるようになったのだ。 その中だけに限れば、宇宙を創ることも、人類を生み出すことも可能だった。あくまでそれは偽物ではあったけれども。 そんな小さな世界のキューブを、■(しかくせかい)といった。 小さな世界は今、本物の世界に溢れかえっていた。 人々は数多の"世界"をキューブの中に創り出し、互いにそれを見せ合い、評価したり、されたりを繰り返していた。 いくらでも、望むがままに創り出せる世界。同時に、キューブを壊してしまえば文字通り、その小さな世界も壊せてしまう。 人々は神さまになれた。
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