610人が本棚に入れています
本棚に追加
――しかし、実際問題。
俺と彼女は、特に親しい訳では無い。
彼女とは、同じクラスだが、席が近い訳も、家が近所で幼馴染――なんてことも無い。
ただ、同じクラスになる率が高いだけの正真正銘の“ただのクラスメイト”。
そして、西条 玲奈は自他共に認める美少女。
成績は常にトップクラス。
運動神経も良い。
何をやらせても、そつなく熟す才色兼備そのものだ。
おまけに、家柄も良く父親は研究所のスタッフ。
名実ともに、お嬢様な訳だ。
ただの人見知りで、人の本音を知るのが怖い、根暗な頼家 悠とはまったく一切、これっぽっちも接点が無い。
だから、
――なんで、俺“には”絡むんだよ……
その理由がいまいち、分からなかった。
最初のコメントを投稿しよう!