君、天使。

第一章

　それは桜がひらひらと舞う、春真っ盛りのこと。

　偏差値もそれほど高くない商業高校の入学式を終えた俺、高峰龍一は、ぶらぶらと校舎内を探索していた。

　特殊な学校なのか、入学式が終わればすぐに家に返してくれる。

　クラス発表も後日だ。

　部活入部届けは今日から受付を開始しているらしい、と隣のやつらが話込んでいたのを覚えている。