74人が本棚に入れています
本棚に追加
「テスト近くなってきたね。」
「止めちくり英樹。オレッち聞きたくない。」
「…………鳴門……勉強しろ。」
「そういや、星華は勉強どうよ?」
「うーん、普通かな?まあ赤点はないと思うよ。」
「主もそっち側かよちくしょう!」
「鳴門、そんなにヤバイの?」
それを聞いた鳴門は、顔を青くした。
「……ヤバイ。また先生と二人っきりの夏なんて嫌だ!」
泣き出した鳴門を見て、事の深刻さを理解した英樹達。
「……少しなら勉強教えてやれるが。」
「鳴門には仕事してもらうから、いないのは困るしね。」
「…………フッ……感謝しろよ。」
「僕も手伝うよ!みんなで遊ぶんだもん!」
「お前ら、マジサンキュー!つか凉子さん、何か言葉がキツいんですが。」
こうして、鳴門強化期間が始まった。
ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー
「お前、ちゃんと授業受けてるよな?」
「鳴門、分数ぐらい分かるよね?」
「…………漢字……違う。」
「えっと、化学反応は……分からないよね。」
「どうやら、オレッちとお前らの住む世界は違うようだな。」
絶望的だった。鳴門の学力は小学校五年生といい勝負だ。
「えっと、オレッちどすか?」
「あー、あとテストまで何日だ?」
「5日。初日は英語とかだった気がする。」
「…………単語……暗記。」
「文法は分からなくても、単語の意味が分かってれば何とかなるしね!」
「ダメだ、付いていけねぇ!」
最初は英単語から始まった。
最初のコメントを投稿しよう!