約束の重さ

8/16
前へ
/143ページ
次へ
「いや悪いね武士。しばらく行ってなかったから、また忘れちゃったよ。」 「そろそろ覚えろよな。お前は役員なんだからよ。」 歩き出したのは良かったが、生徒会室までの道のりを忘れた英樹。また帰るところの武士を捕まえ、案内をしてもらっていた。 「武士、主よく生徒会室の場所知っとるなー。」 「…………びっくり。」 「二人は着いてこなくてよかったのに。どうせ役に立たないんだし。」 「ひでぇ!オレッち場を盛り上げるのは得意だぜ!」 「…………邪魔に……ならない!」 「もうすでに邪魔なんだけどね。」 「…………ぐぬぬ。」 「お前ら、もう着いたぞ。」 「ありがとう武士。んじゃあね。」 「おう、頑張れや英樹。」 武士達と別れ、一人生徒会室のドアを叩く英樹。 「ん?誰だ?」 「高村です。失礼します。」 まだ詩織しかいないようで、静かだった。 「おお英樹くん。来てくれたか。」 「ええ、昨日の件もありますしね。」 「まあ、のんびりしていたまえ。揃ったら始めよう。」 そして役員が集合するまで、英樹は時間をつぶした。 ー ー ー ー ー ー 「では、本日の生徒会を始めようか。」 「彰くん、いつになったら遊びに行ってくれるの?」 「えっと……テスト近いですし。」 「じゃあ私が教えてあげるよ!」 「甘奈、またアンタは困らせて。」 「……凛華さん、近いんですが。」 「るせぇ。逃げないように見張ってんだよ。」 「頑張りなさい凛華。」 「……君たち、始めてもいいかい?」 今日の生徒会は騒がしかった。
/143ページ

最初のコメントを投稿しよう!

74人が本棚に入れています
本棚に追加