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「そして問題を減らすために、最低限のルールを作りました。まず1つ、1チーム最低60人とする。2つ、前後半別れての対戦とする。3つ、顔面セーフ。」
「最後のルールいるの?」
「林道さん、顔面セーフはとても大事ですよ?もしかしてドッチボールやったことないんですか?それとも、誘ってくれる友達いなかったんですか?」
「アンタ、私に対する噛みつき凄いわね。」
「とりあえず、以上が僕の提案するドッチボール大会です。」
「では採決するぞ?この案に賛成の者は手を上げてくれ。」
皆が手を上げた。英樹の案は可決された。
「では最後に確認ですが……皆さんはこの資料に賛成ですね?」
「まあそうなるよね彰くん♪」
「ち、近いですよ水無月さん!」
「甘奈でいいよ?」
「……では異議なしと。詩織さん、ここにサインを。」
「構わないが……意味があるとは思えないが?」
「……あ!待って会長!」
だが茜の忠告は遅く、詩織のサインをもらった英樹はとても笑顔だった。
「どうした茜?何か問題があったか?」
「問題も何も、2枚目を見てください!」
「2枚目?……薄すぎて分からなかったな。」
そう、英樹の狙いは2枚目にあった。そこに書いてあった内容に問題があった。
「えっと、『なお、高村英樹は参加せず、裏方の仕事に就くこと。』……英樹くん、これはなんだ?」
「つまり、英樹は参加しねぇのかよ!つまんない!」
「それに1人いなくなっては、1チーム60人が不可能になるじゃないですか!」
「……まさか英樹、橘さんを?」
「分かってるじゃないか彰。そう、昨日来た転校生が1人いるので大丈夫です。それとも皆さんは転校生を仲間外れにするのですか?」
「だが、君の自己犠牲を喜ばない者もいるだろう?私や凛華が。」
「なんで出ないんだよ英樹!お前とやんの楽しみだったのにー!」
「その点は問題ないです。僕友達いないですから!」
笑顔で言った英樹に、誰もが反論できなかった。
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