約束の重さ

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「ねえミル、頑張った自分には褒美がなくちゃやってけないよね?」 「ミャ。」 「だからコンビニ行こうか。」 「ミャミャ。」 散歩ついでに自らの功績を思いだしたので、コンビニで何か買っていくことにした英樹。 「さて、コンビニはどこにあるかな?」 コンビニを探して歩き回っている英樹。そんな彼の耳に、つい先程まで聞いていた声が聞こえた。 「離せよお前ら!キモいぞ!」 「なんだと!ちょっと下手にでりゃ調子にのりやがって!」 「……ミル、僕は関係ないよね?」 「ンミィ?」 「さて、コンビニ探しに戻りますか。」 無視して行こうとした英樹。だが逃げられる訳もなく…… 「あ!英樹!」 「クソ!何故見つかった!」 凛華は英樹に駆け寄り、絡んでいた奴らに言った。 「えっと、英樹は俺の彼氏だから!諦めろ!」 「いやそんな関係になった覚えないんですけど。てか僕を巻き込まないでいただきたいんですけど。」 だが、それで引き下がりはしなかった。 「へぇ、姉ちゃん。こんな冴えない男より、俺らの方が良くない?」 「そーだそーだ。冴えない僕は帰りたいから、あっちと遊んできてよ。」 「誰がお前らなんかと!行こうぜ英樹。」 「だから帰りたいって言ってるじゃないですか。」 「姉ちゃんみたいな上玉、誰が逃がすかよ。」 「この子置いていったら帰れますか?」 「……テメェ、さっきからナメテんのか?」 「……はぁ、もういいわ。お前ら潰す事にした。」 「は?お前何言って……」 彼がそれ以上の言葉を言うことはなかった。英樹がアッパーしたからだ。 「お前らは運がない。今日の俺は、1日疲れたんだよ。同時にストレスもたまってんだ。つまり何が言いたいかってのは……お前らみてぇなクズがいるから!俺のストレスは消えないんだって事だ!」 潰すと宣言した通り、大事な物を潰す勢いで蹴りあげる英樹。この痛みは、男にしか分からない。 ー ー ー ー ー ー 終わった後に残った物は、泡を吹いた男達と、そんな惨状を作った英樹だけだった。 「ん?アイツどこ行った?」 「英樹!大丈夫か?ケガしてないか?」 いなかった凛華が、頭にミルを、右手に金属バットを持って来た。
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