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「……何してんだお前?」
「いや、助け呼びに行くよりは早いだろ?叩いたほうがさ。」
「まさかそいつを使う気だったのかよ?殺す気か。てかんな物騒な物どこから持ってきやがった。」
「借りた。事情を話したら使えってさ。」
「……もう大丈夫だから、早く返してこい。」
「わ、分かった。」
返しに行った凛華を見ながら、英樹は男達を蹴ってストレス解消に使った。
「あー、やっぱイライラするわ。」
「返してきたぞ!」
「んじゃ帰るか。行くぞミル。」
「ミィ!」
帰ろうとする英樹を、凛華が止める。
「英樹、マジでゴメンな。俺のせいで。」
「今更言われても困るわ。んじゃな。」
「や、やっぱ怒ってる?」
「誰だって怒るだろ。巻き込まれたしな。」
「……ぐすっ、ひっぐ、ごめんなさい!」
「泣きゃいいって話しでもねぇだろうが。さっさと帰れ!」
「でも……でも。」
「いい加減ウゼェぞお前。何?お前も殴られたいわけ?」
「それで……許してくれる?」
「んなわけねぇだろ。つか、お前一人殴ったところでスッキリする訳ないっつの。」
それだけ言って、英樹はその場を去った。
「……いつか、お礼しなきゃな。」
凛華の思いを、英樹は知らない。
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