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「はぁい。みんな座ってくださぁい!」 騒がしかった教室が静まり、先生が話し始めた。 「もう知ってると思いますが、このクラスに転校生が来ました!」 「先生!早く紹介してくださいよ。」 クラスの男子が急かすが、先生は暗い顔をしていた。 「実は……その転校生の事で話しがあります。彼は前の学校で嫌な事があったので転校してきました。ですから、皆さんはそんなことしない生徒だって信じています。」 (教師がそんなこと言っていいのかな?それより、彼って言った?) 皆が首をかしげるなか、それでも事の重大性は理解したらしい。 「じゃあ……入ってきて。」 そしてドアを開けた人物に、英樹は見覚えがあった。 「僕の名前は橘星華(たちばなせいか)です!」 入ってきてきたのは、どう見ても女の子だった。その可愛さに、一部の男子から歓声が聞こえたが、次の一言がクラスを驚かせた。 「ぼ、僕は男です!男子の皆さん、仲良くしてくださいね?」 「「「…………嘘だろ?」」」 「本当だよ!僕は男だよ!」 その瞬間、多くの男子が涙を流した。自分は同性を可愛いなんて思ったからだ。
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