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「とにかく、これからよろしくね。」
そうして自己紹介が終わった星華は、新しいクラスを見回した。英樹は顔を伏せて、バレないようにしたが……
「また会えたね。今度は名前を教えてくれるかな?」
「何の話しですか?僕たちは初めましてですよね?」
「やっぱり君は意地悪だね。でも、会えて嬉しいよ!」
そう言うと、星華は英樹に抱きついた。星華本人は再会の嬉しさを伝えたかったのだが、英樹は青い顔をして倒れてしまった。
「え?どうしたの?何かした僕?」
「あー、気にすんな橘さん。そいつ、英樹は病気みたいなもんだからよ。」
「そうだにぃ。んで橘さんよ、どこで知り合ったのさ?」
「…………返答……によっては……潰す。」
「何でそうなるの!英樹くんには……ちょっとね。」
星華としては、英樹に相談したことは秘密にしておきたかった。正直に言えば恥ずかしかったのだが、凉子はそこまで理解しなかった。
「 …………潰す!……絶対に!」
「落ち着け凉子。多分言いにくい事があるんだろ?」
「うん……ちゃんと話すから、少し時間をちょうだい?」
「お主ら、仲を深めるのは良いが、英樹を運ぶから手伝え。」
「とりあえず、保健室だな。俺と鳴門で運んどくわ。」
そうして英樹は運ばれていった。今後星華がどう英樹達に関わるのかは、いずれ分かるだろう。
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