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世の中には良い痛みと悪い痛みがある。
新学期早々好きな子に振られる痛みなんかは、もちろん後者だ。血を流して痛むのは構わない、骨を折って苦しむのも構わない、けれど恋の痛みというものがどのような経緯をもってしてこの世に存在しているのか、僕には判らない。
そのような痛みがあることで僕はどんな利益を得ることができるのだろう。僕には考えもつかない。
だから僕は快楽の対極として苦痛が存在しているという理論を、快楽があるからこそ痛みがあるのだという意見を、支持しない。それはつまり、僕たち人間の不具合を示唆しているように思えるからだ。
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