君が手を伸ばした先に

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「土方さん、そろそろ失礼します。 土方さんも早く寝ないと体に悪いですよ」 総司は珍しく土方さんに労りの言葉をかける。 土方さんは驚いた顔をして、口許をひきつらせていた。 失礼な人だ。と思いながらも、総司は悪戯が成功したとでも言うような笑みを浮かべる。 総司は楽しそうに笑いながら、土方さんの部屋を後にした。 総司は静かな廊下を歩きながら考える。 血濡れた蓮と剣術の美しさと…最後に見せた笑顔。 女子の身でありながら、蓮が刀を握れる事は昔から知っていた。 その腕前がかなりなものだということもわかる。 しかし、血濡れた姿を見たのは初めてだった。 そして何故これほどの技術を持っているかはわからない。 長い付き合いである試衛館の皆も多分知らないのだろう。 彼女に聞いたら教えてくれるだろうか? 話して…くれるのだろうか。 君は一体…誰なんだろうか。 ふとそんなことが頭に浮かぶ。 蓮の事をよく知るために、断られる事を覚悟で聞いてみようか…… そう心に決めて、総司は廊下を進んだ。 .
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