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そして、そんなお遊びも直ぐに終わりを迎える。
一族の者が、幼い蓮を暗殺へと同行させたのだ。
初めて人が斬られる様を興味津々に見つめていた。
目の前で刀で人を殺し、そして流れ出た血で私を遊ばせる。
「ほら、蓮。美しくてきれいだろ。これでいくらでも遊んでおいで」
それを幾度となく繰り返され、血は遊ぶものだと理解させられた。
こうやって蓮は遊びながら、殺人鬼へと知らず知らずのうちに作り替えられていった。
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「そんな事が、行われていたのですか」
ぽつりと総司が言葉を漏らす。
とても悲しそうな声色だったその言葉に、私はただ淡々と答えた。
「そうですね。誰も疑問に思うことなく行われていた事です。
でも、総司……悲しむことではないのですよ。私にはこれが普通だったというだけですから」
それでも悲しそうな顔をしている総司に、私は強引に話を進めることにした。
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