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「蓮の両親や、鈴璃は何も言わなかったのですか？
蓮にこんなことをしていたのですか」
総司は寂しそうに瞳を揺らしながら私に問いかける。
「鈴璃は当時はこんな事があったなんて知りませんよ。
両親は、稽古やその他諸々に関与してはいけない事になっています。
誰でも子供には情が沸きますから……
何をされても口を出してはいけません」
「其では、誰が幼い貴女を救うのですか……」
本当に悲しそうな声だった。どうしてそこまで悲しんでくれるのかと思うほどに悲しそうなその声は、聞いているだけで胸が締め付けられそうだった。
「……私は救われなくてもいいんです」
誰も救えなかった私が一人だけ救われてはいけないのだから……
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