君が手を伸ばした先に

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「蓮、否定しているわけじゃないんだ。父さんは蓮を愛しているんだよ。 今は理解できなくてもいい。だけどいつか知ってほしいんだ。命の重さを、理解してほしい」 命とは、自分とは何なのだろうかと初めて思った。しかし幼い少女には分からなかった。 「父様……私はその答えを知った時、自分を化け物と思うのですか? 私は……間違っているのですか?」 一度目はただ不思議だったのだ。 どうして化け物と呼ばれたのか理解さえ出来なかったから。 「その答えを知った時、その時に考えればいいよ」 父様は私の質問に、否定も肯定しなかった。 ただ先延ばしにされた答えを、望まない形で知ることになることを幼い私が知るはずもなかった。 ただ父様の言葉を信じて、悪いのは自分ではない。悪いのは周りの大人なのだと身勝手な部分だけを受け入れた。 少年に会った数日後に今度は今まで優しかった村の女性に化け物と言われた。 二度目はやはりそうなのかと、少しだけ思う。 そして、三度目、四度目と言われる度に、そういうものなのだと理解した。 幼い蓮が着物を真っ赤に染めている姿を、化け物だと呼ばない人は居なくなった。 ただ、家族だけを除いて……… ─── .
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