君が手を伸ばした先に

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「蓮を化け物だと、そう呼ぶのはあまりにも……そんなの間違っています…!」 総司は私の話を遮ると、我慢出来ないとでも言うように言葉を吐いた。 「仕方がないんですよ。 幼子が楽しそうに人を殺す様は、さぞ不気味だった事でしょう。 幼子が血塗れで歩くその様は、化け物に見えた事でしょう。 だからいいんですよ。 私には友達は居なかったですけど、その代わりいつも鈴璃が側にいてくれました。 どんなに血まみれで帰ろうと、鈴璃はただ笑って私を抱き締めながらおかえりって言うんです」 否定と感じた父様の言葉。常に私を受け入れてくれる鈴璃。 どんな時だって常に、私の心の支えは父様ではなく鈴璃だった。 私を愛してくれた両親、いつも優しかった兄。それでも私を支えてくれたのはどんな時でも鈴璃だった。 「それでも…!化け物と呼ばれるのは辛いです!」 「私の為に、怒ってくれるのですか。 なら、私はもうそれで十分です。それ以上は望んでいません」 私は美しい月を見つめる。初めて人を斬った時も美しい月だった。 私が初めて人の死に悲しんだ日も……月は美しかった。 ─── .
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