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「総司……」
障子の向こうから現れたのは、試衛館道場に居た頃のかつての思い人だった。
今はそんな事これっぽっちも感情が浮かばなくて、久しぶりに会ったその人に投げ掛けた視線も何故か悲しいものだった。
「久しぶりですね。
土方さんにお客様だと言われて来たのですが、貴女だったのですね。
生きていらしたようで、何よりです」
そう言って優しい笑みを向ける。
貴女も私を生かしてくれるのでしょうね…
「ねぇ、総司…
私を此処に置いてください。
それが無理なら、私を此処で始末して…」
土方さんと同じ条件をだした。
貴方は優しい人だけど、貴方はどちらの提案ものめるでしょうから。
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