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「始末……ですか。
貴女からそんな言葉が出るとは思っていませんでした。
貴女は命を大切にする人ですから」
そう言って総司は笑った。
「私は………!」
それ以上は何も言えなくて、ただ唇を噛み締めた。
今は貴方のその優しさに、触れる事さえ怖かったから……
「蓮は初めて会った時から泣かない強い子でしたから、何があったのかは聞かないでおきます。
蓮が私を頼りたいと思った時に話してくださいね」
「じゃあ…!」
「えぇ、此処に居て構いません。
土方さんもきっと、そのつもりでしたでしょうから」
「そう…
もし、近藤さんや土方さんが私を殺せと命じれば…総司は私を簡単に殺せるんでしょうね」
「そうですね」
素直にそう答える彼に、やはり迷いはなかった。
だから利用するのだ。
…………吉田稔麿に会うために。
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