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歩き続けてどれくらいが経っただろうか…
宛もなくただ歩き続ける事に意味などあるはずもないのに、何故か立ち止まることが出来なかった。
「あっ…」
もう体力など残っていなくて、石に躓いて転けてしまった。
立ち上がることさえ出来なくなっている自分の体に限界を感じながらも、それでも前に進みたかった。
『お前は幸せになれ』
『貴女は私の自慢の娘よ』
『ばーか、大切だからだろ』
『蓮、大好きよ』
不意に大切な人達の最期の言葉を思い出す。
その言葉を糧に私は再び歩き始めた。
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