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「総司、報告を頼む」
静かな声で土方さんはそう続ける。
総司は少し大きく息を吸い込んだ。
「まず、報告を受けていた通り、相手は五人でした。
皆予想していた様に、長州潘の者です。
五人の内二人は蓮を知っていました」
落ち着いた様子で、総司は大まかな内容を土方さんに伝える。
土方さんは何も答えなかった。
総司は続けて口を開く。土方さんが知りたい内容が含まれていないことを、総司は知っていたのだ。
「しかし、蓮は相手を知らない様でした。
それに……手を出そうとしたら止められてしまいました」
「…止められた?」
何を不審に思ったのだろうか。土方さんが険しい表情で口を開いた。
「はい。手を出すなと言われました……」
「そうか……
総司、お前に蓮はどう写って見える?」
土方さんの突然の質問に、総司は少しだけ顔を俯けた。
「……血に染まる蓮は、とても美しく見えます。とても悲しそうで、なのにその太刀筋に迷いがなく、見惚れるほどに惹き付けられる。そして、かなりの腕前でした。
私が目にした限りでは、私と彼女の刀の腕前は同じくらいです」
「そうか。蓮が長州と手を組んでいる可能性は?」
土方さんはあくまで淡々と質問を投げ掛ける。その声には一切の感情が含まれていなかった。
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