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「なっちゃん、助けて!!」
携帯を肩と顔の間に挟んで。
あたしは我が親友に助けを求めていた。
朝9:00。
待ち合わせまで、あと1時間ってとこ。
困っているのは、女の子デート特有の、服装。
『な、なんでこんなギリギリに電話したのっ?!』
なっちゃんの受話器の奥。
風をきる音が聞こえる。
自転車猛ダッシュで、あたしのところに向かっている所為。
「こんなに悩むとは思わなかったんだよ!!」
『普通は前日の夜に決めておくんだからね!?』
珍しくなっちゃん少し怒ってる。
まぁ急に呼び出したあたしが悪い。
『あ、ついた!!玄関開けて!』
「了解!」
こんな時に気兼ねなく呼べる女友達っていいな。
小さくそう思えた。
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