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「ふう、皆さん歩くの早いですよう。追いつくの、大変でした!」
「あはは、ごめんね!目の前にこんな綺麗な風景広げられちゃ、我慢できんかったがよ」
湊はそう言って、かえでの手を引くと押し寄せる波打ち際に走る。
「わ、湊さあん!?」
砂につまずいてしまわないように、それについていくかえでの背中を見送って。
男二人は顔を見合わせた。
「あーあ、行っちゃった」
「だな」
叶人が、かえでの手に持っていた冊子を拾い上げて愛しげにそれを見つめる。
「サニーホームズ長期合宿のススメ」そう名づけられた冊子。
「……絶対成功させような」
「……うん」
そう言うと、二人も足を海に浸した。
ひやりとして少しだけ冷たく感じるこの海水も、きっと一か月後にはちょうどに感じるようになるのだろう。
―Fin―
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